こんにちは。つっちーです。簡単な経歴はこんな感じです↓
・機械、IT系の弁理士 ・大規模特許事務所、中規模特許事務所を経験 ・知財業界でのキャリア相談を受付けてます →キャリア相談ある方はTwitterでDMください https://twitter.com/messages
・特許事務所ってブラックって聞くけど、残業って多いのかな…
・残業の少ない特許事務所に転職したい
・子どもがまだ小さいので残業少ない方がいいなぁ
今回はこんな疑問にお答えします。
以下、私の職歴です。
- 日系大手メーカー(JTC)技術者
- 大手特許事務所
- ITエンタメ系ベンチャー
- 中小特許事務所(←イマココで勤務弁理士)
特許事務所の残業時間の事情って、ブラックボックスですよね。
しかも、「特許事務所はブラックだ!」みたいな噂もチラホラ。
おまけに「特許事務所 ブラック」と関連キーワードに表示されるという…
今回は特許事務所のリアルな残業時間事情について書いていきます。
特許事務所の残業は多い?
結論、事務所によります。
私の経験でいうと、特許事務所に転職して、残業時間はかなり減りました。
前職のメーカー技術者時代、残業時間は60~80時間とかはザラにあって、定時退社した記憶はほとんどないんですが、
特許事務所に転職してからは、多くても残業が45時間くらい。定時退社もしょっちゅうしてます。
もちろん、時期的に(年度末の3月は特に忙しい)忙くしてるときはありますが、慢性的に残業が多いという経験はまだありません。
ただ、友人の話を聞くと、ノルマがきつく、特に未経験時代はかなり残業していたという話も聞きますので、事務所によるとしかいえないです。
特許事務所での残業が多くなる理由
特許事務所の基本的な考え方として、特許事務所の給料は、自分が売り上げた売上に連動しています。
売上とは、出願書類、意見書、補正書などをクライアントへ納品したときの売上です。
通常、会社員は営業職でもない限り、給料が売り上げ連動ということはあまりありませんが、ここが企業と特許事務所の違いです。
なので、給料をもらっている以上、事務所側からはおおよそこのくらいの案件を処理してほしい(売り上げて欲しい)ということを示唆されます。
そのため、売上が思うように上げられなければ、残業して案件を処理しないといけない、というわけです。
ただし、未経験のときは、売上を上げられないことは事務所側もわかっているので、そんなにキツイノルマは課せられない(給料分のノルマは課せられない)ことが多いです。
また、事務所によっては完全売上連動性の事務所もあります。
こういう事務所については残業という概念がないので、自分が好きなときに働いて、自分が売り上げた金額の〇〇%をもらうという契約になります。
未経験者は残業しても仕方ないか?
ある程度は仕方ないかもしれませんが、そもそも未経験者が1年目から給料分の売上を上げるのはかなり難しい(というかほぼ無理)ので、無理して残業しなくてもいいというのが私の意見です。
特に、弁理士試験に合格していない方は、残業よりも弁理士試験勉強を優先させてください。
残業はなるべくしないで、その分を試験勉強時間にあててください。
あと、未経験で事務所を選ぶ場合は、弁理士試験を応援してくれるような事務所が絶対おすすめです(弁理士試験休暇がある事務所など)
また、特許事務所の仕事は基本的にはずっとPCに向かってのデスクワークで、1日10時間~12時間とかやってると、疲れて逆に効率が落ちます。
もちろん過渡期は頑張らなければなりませんが、基本的には長時間労働してもあまり生産性があがらないので、残業はやらない方向で、短い時間で成果を出すという頭でいた方がいいでしょう。
特許事務所での残業を少なくするには?
タイピングのスピードを上げたり、辞書機能を駆使したりして実務の生産性を上げる、ということはもちろんやらなければいけませんが、もっと視座を高くすると、2つの方法があります。
- 案件単価の高い特許事務所に転職する
- 売上連動性の特許事務所に転職する
案件単価の高い特許事務所に転職
ある所員の給料が同じということを前提とした場合、当然単価の安い事務所は残業時間が多くなります(例えば、案件単価の高い事務所は月4件でOKだけど、案件単価の安い事務所は月5件でないとダメ)。
案件の単価というのは、出願手続き、中間応答手続きなどが1件あたり〇〇円ということで、例えば、特許でいうと、バイオ、医療機器、製薬、遊技機(パチンコ)などは案件単価が高い傾向にあります。
余談ですが、商標は特許に比べて単価が安いので、特許チームは残業少ないけど、商標チームは残業多いとかいう事務所も聞いたことがあります。
また、大手電機メーカーなどの大企業では、ボリュームディスカウントがあります。ボリュームディスカウントとは、「大量に出願を発注するから単価を下げて欲しい」という依頼です。
大規模特許事務所は、たくさん抱えている所員に給料を渡すために、大量の案件を引き受けなければいけません。そこで、大企業に大量の案件をもらうという約束と引き換えにボリュームディスカウントを受け入れるという事務所もあります。忙しい大規模特許事務所の理由は、この理由も大きいです。
売上連動性の特許事務所に転職
上述したように、売上連動性の特許事務所は、残業時間という概念がないので、好きなだけ働いて自分の給料を決めることができます。
ただし、中級者以上向けなので、未経験者の方は無視してください。
転職エージェンからの情報収集
単価の高い特許事務所や売上連動性の特許事務所を自力で探すのは、経験者でも難しいので、転職エージェントに相談するのも良いでしょう。
案件の単価が高いか?はエージェントもわからない可能性が高いですが、給料が平均と比べて高いか、残業時間が平均と比べて多いか、の情報は持っている場合もあるので、気になることはエージェントに根掘り葉掘り聞いてみると良いでしょう。
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