こんにちは。つっちーです。簡単な経歴はこんな感じです↓
・機械、IT系の弁理士 ・元日系大手メーカー技術者、元ITエンタメ系ベンチャー ・大規模特許事務所、中規模特許事務所を経験 ・知財業界でのキャリア相談を受付けてます →キャリア相談ある方はTwitterでDMください(^^) https://twitter.com/messages

・弁理士に興味あるけど、自分でもやっていけるかな
・弁理士ってどんな人が向いてるのかな
・企業知財部と特許事務所の弁理士の違いが知りたい
今回はこんな↑ギモンにお答えします。
弁理士に向いてない人の3つの特徴

以下、弁理士に向いてない人の特徴です。
- 知的好奇心がない人
- 学び続ける意思がない人
- 技術、法律、外国語、書類作成のいずれも好きでない人
順に解説していきます。
知的好奇心がない人
弁理士の仕事は、日々たくさんの技術・法律などに触れ、多くの新しいことに頻繁に出会います。
ルーティンワークというか、同じようなことをずっとしていたい人には向いていない仕事です。
- 自分の知っている範囲で仕事をしたい
- 新しいことにはあまり興味がない
- 新しいことを学ぶのは苦痛
というような人は苦痛を感じてしまうでしょう。
学び続ける意思がない人
弁理士は、法律(特許法、意匠法、商標法など)や、行政のルール(特許庁の手続きのルール)を多く扱う仕事です。
法律や行政のルールは、毎年アップデートされていくので、一度覚えてしまったら終わりではなく、ずっと変遷を追いかけ続けなければいけません。
さらに、上述しましたが、弁理士は日常的に新しい技術に触れるので、新しいことを積極的に学ぶ姿勢がないと続けていくのはしんどいかもしれません。
技術、法律、外国語、書類作成のいずれも好きでない人
弁理士の仕事は、
- 技術(機械、電気、IT、化学、バイオ、薬など)
- 法律
- 外国語(特に英語)
- 論理的思考を伴う公的な書類作成
を総合的に扱う仕事です。
上記の全てを好きである必要はありませんが、少なくとも↑の中の1つくらいは好きでないと、仕事をしていくのは苦痛かもしれません。
ちなみに私は法律があまり好きではなく、書類作成が好きなのでこの仕事をやれていますw
ひたすらPCに向かってデスクワークしたり、文章書くのが好きな人にも向いてると思います。
企業知財の弁理士に向いてる人

弁理士は、大きく企業知財と特許事務所と2パターンあります。
まずは企業知財に向いてる弁理士の特徴から解説していきます。
- 規模の大きい仕事がしたい人
- 権利化業務以外の仕事を幅広くしたい人
- クライアントワークよりも自社サービスに関わりたい人
- 会議、資料作り、社内調整業務が苦でない人
- 職場の同僚や先輩など会社の人たちと交流したい
- 一定の安心感のもと働きたい人
順に解説していきます。
規模の大きい仕事がしたい人
知財部がある企業というのは、ある程度大きい企業体であるので、多くの予算を扱う規模の大きな仕事をすることができます。
大きな会社とライセンス交渉をしたり、中小や零細企業では経験できないような仕事をダイナミックに行うことが可能です。
権利化業務以外の仕事を幅広くしたい人
特許事務所の仕事は権利化業務がメインであり、狭く深い業務になります。
企業知財の仕事は、発明発掘から特許調査、権利化業務、権利行使(訴訟など)、ライセンス契約など仕事内容が多岐にわたります。
狭く深くというよりも幅広く色々な知財業務を経験したいジェネラリスト気質の方や、
企業の経営戦略など、より上流の仕事に関わりたい方には企業知財部が向いてるといえます。
クライアントワークよりも自社サービスに関わりたい人
特許事務所の仕事は、自社の商品・サービスというのは持っておらず、クライアントに対するサービス業務であります。
一方企業知財部では、当然ながら自分の会社の商品・サービスを扱うことができます。
また、ビジネスの立場的に、企業知財=発注側、特許事務所=受注側になるため、パワーバランス的には企業知財の方が優位になります。
言い方を選ばずにいうと、大企業の下請け的な立ち位置になっている特許事務所もあるので、
クライアントワークがどうしてもしたくない方は企業知財の方が向いてるといえるでしょう。
会議、資料作り、社内調整業務が苦でない人
会社にいる以上、会議・資料作り・社内調整業務などに、たくさんの時間を使うことになります。
特に大企業では、
- 大人数での無駄な会議
- 無駄な資料作り
- 不毛な社内調整
- 稟議承認までの長いフロー
なども仕事の1つです。
特許事務所ではこれらの要素がほとんどないので、↑が嫌で特許事務所に来る人も多いですが、
↑のようなことがあまり苦にならない人は、企業知財の方が向いてるかもしれません。
職場の同僚や先輩など会社の人たちと交流したい
特許事務所は個人プレーという側面もあり、悪くいえば職場の人たちとの関係が希薄になります(1日ほとんど誰とも話さないとかもザラにあります)。
職場の人たちとの交流は、企業知財の方に比べてかなり少ないです。
同僚、先輩、後輩など、同じ会社の人たちと積極的に交流したい方にとっては、企業知財の方が向いてるといえるでしょう。
一定の安定感のもと働きたい人
企業の方が、特許事務所に比べて、家賃補助・退職金・福利厚生などが充実していたりしますし、年功序列気質が強いので、長く居れば給与は確実に増えていく傾向にあります。
さらに、特許事務所と異なり、企業知財は成果主義の傾向が弱いので、成果を上げられていなかったとしても、それほど大きく給与に影響はでません。
また、特許事務所よりも企業体が大きく、資本も大きいので、会社の経営が大きく傾いたり、会社が潰れる可能性は低いといえます。
上記のような一定の安定感のもと働きたい人は、企業内弁理士が向いているといえます。
特許事務所の弁理士に向いてる人

特許事務所に向いてる人の特徴は↓です。順に解説していきます。
- 手に職をつけたい人
- 転勤したくない人
- 場所を選ばず働ける環境を手に入れたい人
- 組織の中で働くのが苦手な人
- チームプレイよりも個人プレイが好きな人
- 幅広い技術に触れたい人
- 自社だけでなく色々な会社に関わりたい人
- 大企業を超える収入を狙いたい人
- 独立志向の強い人
幅広い技術に触れたい人
特許事務所では、多数のクライアントを抱え、そのクライアントが保有する多数の技術を扱います。
自社だけの技術を扱う仕事よりも、色々な技術に幅広く触れたい人にはおすすめの仕事です。
るので、1つの技術分野以外にも幅広く技術に触れたい方は、中規模以下の事務所が良いでしょう。
自社だけでなく色々な会社に関わりたい人
特許事務所は、コンサルティングファームのような位置づけでもあり、多業種の事業会社のクライアントと関わることになります。
コロナ禍のため少なくなりましたが、クライアントの工場に出向いて打ち合わせしたり、様々な会社に出入りすることができる経験は新鮮で非常に刺激的です。
自社だけでなく色々な会社の人とコミュニケーションをとりたい、色々な会社の文化・特徴に触れたい人には向いていると思います。
手に職をつけたい人
手に職をつけたい人は特許事務所で働くのが向いてます。
手に職をつけるメリットとしては、↓のようなことがあります。
- 会社に依存しなくてもよくなる
- 転職しやすくなる
- 定年後も一定の収入水準で働ける
順に説明していきます。
会社に依存しなくてもよくなる
会社に所属していると、会社の看板(ブランド)で仕事をすることになります。
手に職をつけて自分の実力を高めていくと、会社の看板に頼らなくても仕事ができるようになります。
特許事務所では、会社の看板だけでなく、個人の看板も磨いていけるようになります。
なので、会社の看板がなくなったとしても、個人の看板をしっかり磨いておけば、くいっぱぐれることはないということになります。
手に職をつけて、自分の腕を磨いていくとこのようなメリットがあります。
転職しやすくなる
↑の話にも通ずることですが、手に職をつけて、スキルを身に着けてしまえば、かなり転職しやすくなります。
特許事務所の仕事は、どの事務所でも仕事内容はあまり変わらないので、
40代以降でもスキルさえあれば転職のハードルはかなり低くなります。
定年後も一定の収入水準で働ける
特許事務所にも”定年”という概念はありますが、定年後も雇用してもらったり、業務委託で働いている人が結構います。
会社員の場合、役職定年→定年→再雇用の流れの中で、給料は最終的に半分以下になってしまいますが、
特許事務所の場合、元々の給与形態が成果報酬に近いものがあるので、
成果さえ残せていれば、給与水準を落とすことなく定年後も働くことは十分可能です。
また定年後、週に2~3回業務委託で働く、というように、仕事量も自分で自由に調整することも十分可能です。
転勤したくない人
特許事務所の場合、転勤が基本的にはありません。
一部大規模事務所では、地方の支所へ出向みたいな話はありますが、事務所都合で強制的に転勤させられたという話は聞いたことありません。
- 会社都合で強制的に転勤させられたくない
- 奥さんのキャリアを狂わせたくない
- 子どもに安定した教育環境を与えたい
という方には非常におすすめの環境です。
場所を選ばずに働ける環境を手に入れたい人
コロナ禍の影響もあり、特許事務所ではリモートワークが増えてきました。
永久在宅勤務を認める職場もちらほらみかけます(私の職場は永久在宅勤務です)。
永久在宅勤務にすることで、地方のいい人材を採用できるようになる、というメリットもあるためです。
永久在宅勤務が可能な職場の場合、
- 将来的には地元に帰ってのんびり仕事がしたい
- 親の介護があるので、田舎に帰らなければいけない
- 海外移住の夢を叶えたい
- 給与水準は都内の事務所で働いて、地方に住んで安く生活したい(東京の事務所の方が給料高い)
など、場所を選ばずに働けることにより、色々な可能性を開くことができます。
チームプレイよりも個人プレイが好きな人
チームで動くよりも、個人プレイで仕事がしたい人は特許事務所がおすすめです。
個人プレイの仕事というのは以下のニュアンスを含みます。
- 個人で大きな裁量を持って働きたい
- プロフェッショナルな仕事をしたい
個人で大きな裁量を持って働きたい
特許事務所では、案件を上司(指導者)から渡された後、基本的には1人で業務を遂行します(経験が浅い人は自分と指導者の2人)。
組織内でのメンドウな人間関係の調整、上司・上長の必要な許可がかなり少ないので、自分の裁量でゴリゴリ業務を進められます。
個人の裁量と責任で、でゴリゴリ仕事をすすめたい人にはおすすめです。
プロフェッショナルな仕事をしたい
また、特許事務所の業務は法律、技術、語学を扱う高度なプロフェッショナル業務であり、
個人の力を極めていきたいという職人気質(プロ気質)の人には非常に向いてます。
組織の中で働くのが苦手な人
特許事務所では、組織内のメンドクサイいざこざがほとんどありません。
- 無駄な会議
- 無駄な資料作り
- 社内・外注調整業務
- 社内政治
- 過渡な出世競争
- 上司・部下など会社内の煩わしい人間関係
- 会社の方針転換
もちろん例外はありますが、会社に比べて組織内での面倒ごとは非常に少ないです。
大企業を超える収入を狙いたい人
特許事務所の給与体系は成果報酬型が多いです。
企業知財部は利益を生まないコストセンターとも言われることが多いのですが、特許事務所の弁理士はプロフィットセンターとして利益を生む役割を担うためです。
そして、自分がこなした案件数・案件単価に応じて、自分の給与が決まるという事務所が多数派だと思います。
案件をこなせばこなすほど、収入が上がっていくので、実力があるという前提で、年功序列職の強い大企業の収入を若いうちから超えることは十分に可能です。
私が知ってる中で年収1000万円以上の人はこんな感じです↓
- 43歳で1200万円(@大規模事務所)
- 39歳で1500万円(@大規模事務所)
- 32歳で1000万円(@大規模事務所)
- 36歳で1000万円(@中規模事務所)
- 39歳で1000万円(@中規模事務所)
- 52歳で2000万円(@中規模事務所)
もちろん、成果をあげるという前提なので、厳しい側面はありますが、30代で年収1000万円も全然夢ではないです。
ただし、注意しなければいけないのは、年功序列ではないので、年齢が上がるほど収入が右肩上がりで増えていくわけではないということです。
特許事務所の勤務弁理士の場合、年収のピークは40代というデータもあります。
50代以降、案件数をこなせる数が減ってしまうためです。
体力があるうちは大量の案件をさばけますが、歳をとるにつれてどこかで頭打ちします。
ただし、マネージャー(指導者)になるか、パートナー(経営層)になるか、独立するか(経営者又はフリーランス)などキャリアをシフトすることで、年収を右肩上がりに上げていくことは可能です。
この辺の内容はまた別記事で詳しく書きたいと思います。
独立志向の強い人
将来的に独立を考えている人は、特許事務所がおすすめです。
企業知財から独立される方もいますが、特許事務所から独立している人に比べたら少ないという印象です。
最後に

今までたくさんの弁理士と関わってきた経験から、企業知財に向いてる弁理士、特許事務所に向いてる弁理士の特徴をまとめてみました。
弁理士が向いていない人には辛い仕事になると思いますが、仕事内容がハマると、非常にやりがいのあるいい仕事です。
私の周りでも、もちろん大変なこともありますが、自分の仕事に誇りをもって、楽しく仕事をしている人はすごく多いです。
興味ある人はぜひ弁理士という仕事を検討してみてください。
また、現在無料でキャリア相談を受付けてるので、
知財業界でのキャリアに悩みを持っている方は、ぜひTwitter経由でDMください(^^) https://twitter.com/messages
また、特に特許事務所の弁理士の働き方について興味ある方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
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